令和で生きる営業マンの存在価値を考える
30代中堅営業マンのtabesughiです。
2008年に入社して10年以上、法人相手(BtoB)の営業マンをしています。
最近は公共相手の営業がメインです。
僕の会社は、技術力を売りにしているメーカーです。
歴代社長は全員技術者上がりで、良い物を作れば勝手に売れるという社風なので、研究・開発にもの凄く力を入れています。
最近のトレンドワードであるAiとかIoTなんかは、いち早く取り組んでいて既にマネタイズ済ですし、多分5Gとか自動運転の領域でも一定規模のビジネスが出来るでしょう。
将来的に、このような最先端技術が普及していくと、多くの職業が無くなると言われています。
営業マンもいなくなるかもしれないと思い、その存在意義を考えてみました。
結論、営業マンは生き残ると思います。
マズローの欲求5段階説から存在価値を考える
営業職は簡単に言うと、自社と顧客企業のつながりを作る仕事です。
企業はバーチャルなので、実質はそこで働く人と人の繋がりを作ります。
繋がりを作った上で、顧客が便利になるものを紹介し、対価を得ます。
便利になることで顧客から感謝され、更に繋がりが強くなり、別の便利になるものを紹介するというのが営業の良いサイクルですね!
マズローの欲求5段階説モデルを見てもらえれば、営業職が存在し続けるのは容易に想像できますのでご紹介します。
マズローの欲求5段階説はこんな感じです。
【マズロー欲求5段階説】
- 自己実現欲求 周りは気にせず自分がなし遂げたい事やりたい
- 尊厳欲求 自分のことを人よりも優れていると認めてもらいたい
- 社会的欲求 他人と関りを持ちたい
- 安全欲求 自分の身の安全を確保したい
- 生理的欲求 食べたい、寝たい、異性が好き 等
下位の欲求が満たされると更に上の欲求を満たしたくなるそうです。
歴史の教科書に出てくる偉人は、自己実現欲求までたどり着いた人たちなのでしょう。
Aiなどで最先端技術が普及すると世の中が便利になり、生活も豊かになるため「生理的欲求」と「安全欲求」が満たされます。
この2つが満たされると、社会的欲求(人と繋がりたい)まで全ての人が到達しますので、ビジネスシーンにおいても人との関りが重視されることになると予想できます。
もしかすると、物自体の価値は無くなり、自分たちが好きな会社や営業マンから物を買う時代が来ているかもしれませんね。
現代もスマホやSNSが普及し、若者は物でなくアプリ内課金をする時代なので、BtoBでも人との繋がりのためにお金を使う時代がくるのは自然な流れだと思います。
令和でカタログ品メーカー営業マンは絶滅する
価格.com、アマゾン、楽天市場など、BtoC市場においては、商品スペックと価格を簡単に比較できるようになりました。
BtoB市場では、簡単に比較できるほどの情報が世に出回っておりませんので、顧客が複数の営業マンに会って情報収集をして意思決定します。
しかし、5Gが展開される令和の時代では、BtoBのクローズドされた情報でさえ共有化されると思います。
現時点でも顧客の業界団体や調査会社が本気を出せば、情報共有化は実現できてしまいますので。
僕も稀に、顧客が独自に調査した「発注数と値引率の関係性を表すグラフ」や「製品仕様比較資料」を見せてもら事がありますが、もう営業マンは要らないなと思う完成度です。
その分析結果に基づいて商品を購入するのが、僕の営業トークを聞くよりも何倍も最適解に近いでしょう。
また、カタログ品を金太郎飴のようなひな形提案書で売りに行く営業マンも絶滅するでしょう。
情報に何の付加価値もありませんので。
もし、カタログ品の営業マンで生き残るとすれば、顧客のために大量の時間を割いて一緒に仕事をしてくれるコンシェルジュ型の営業マンだと思います。
コスパ悪いので業界が絞られそうですね。
オーダーメイド品の場合、スペックや標準価格が存在しませんので、顧客も営業マンや設計技術者と会話を重ねる必要があります。
このタイプの営業マンは元々コンシェルジュ型なので生き残ると思います。
製造業以外の営業マンの将来予測
他の業界も考えてみました。
僕は業界問わず営業していますので、結構幅広く業界事情は入手できています。
今回オワコン確定な業界に絞りました。
日本企業は大体オワコンでキリがないためで3つだけご紹介します。
1.金融
金融業界では、三井住友銀行が販売ノルマを廃止して、顧客資産の運用パフォーマンスを評価指標とするニュースが話題になりました。
業界自体の存在意義が危ぶまれている銀行ですから、令和時代で生き残るべく大きく方針転換しました。
規模は縮小するでしょうが、やはり銀行は生き残りますね。
証券会社も早くこうなるべきですね。
N証券とかいつまで売りっぱなしの営業スタイルなのでしょうか。。
ぶっちゃけ、金融商品のパフォーマンスなんて手数料の差が大きいのだから、高い手数料の商品を売りたいなら、手数料分働いて儲けさせないと顧客は納得しないと思います。
売りっぱなしで良いのなら、SBI証券みたいな手数料安いネット証券で事足ります。
保険会社も同じです。
情報弱者をターゲットにしたボッタクリ営業は限界でしょう。
学資保険とか子供をダシに親を騙していますしね。
最近ネットでも保険商品を分析するサイトが増えましたので、この業界も顧客とのエンゲージメントを大事にする営業スタイルに変わっていくと思います。
個人的には未だに自宅に上がり込もうとする営業スタイルもキモイです。
2.小売・飲食
営業というよりは店員ですね。
スーパーやコンビニの店員は今でも不要ですし、百貨店でさえもブランド価値は下がっていますので販売員不要になるかもしれません。
外商は一部残るでしょうね。あれこそ人の繋がりだけで売っていますし。
専門店系は販売員自体がブランド化(カリスマ店員)するような業種でないと厳しいと思います。
基本ネットで買いますしね。
試着のニーズは無くならないので実店舗は必要でしょうけど、ユニクロとかのファストファッションは販売員不要になるでしょう。
ユニクロコーデなら日本一みたいな店員さんなら行ってみたいですが。
なお、飲食系も基本同じです。
お酒と会話を楽しむバーや髭が似合うマスターが作るおいしいコーヒーは人による接客が必要ですが、吉野家とか全自動で全く問題ないです。
外国人労働者が大分増えましたので、暫くはこの方たちの人件費と設備投資コストとの競争ですね。
人件費は上がっていくでしょうから、設備投資が勝つでしょう。
3.医療
メーカーですが特殊なのであげました。MRとか医療機器営業が対象です。
業界自体は間違いなく成長トレンドですし、世界でも戦える数少ない業界です。
ただ営業マンが存在価値を出せるかは微妙でしょうか。
この業界は特殊なので、何かしら強い圧力がかかり、医療従事者が共通情報プラットフォームで商品情報を見る時代が来るかもしれません。
そうすると知識を武器にしている営業マンは厳しくなります。
昔、医者がゴルフに行く時にMRが運転手をしたり、接待漬けにして問題になりましたが、ある意味コンシェルジュ型の営業だと思います。
医療従事者の仕事を手伝ったり、要望をヒアリングする窓口として、正しい方向でのコンシェルジュ型営業マンになれば生き残りそうです。
色々と考えてみましたが「B to B」や「B to B to B」は結構生き残りそうな気がします。
「B to C」や「B to B to C」は、絶滅せずとも規模縮小しそうですね。
転職や副業も視野に入れながら働くのが良いかもしれません。