【営業必須スキル】効果的な7つのクロージングテクニック
30代中堅営業マンのtabesughiです。
自慢を兼ねた自己紹介をすると、2018年に外資系メーカーから大手国内メーカーへ転職し、外資系メーカーで学んだ営業スキルを活用することで、転職後は毎期表彰を頂いています。
先期は役員表彰を貰いましたので、残すは社長賞のみです。(これは流石に取れないかな…)
今回は、営業マン必須スキルのクロージングについてご説明します。
細かいテクニックを上げるとキリが無いですし、選択肢が多すぎると実戦で混乱しますので、厳選した7つのテクニックをご紹介します。
商談を作ることは出来るけど、思ったように数字が上がらない営業マンは必見の内容です。
クロージングのベストタイミングはいつ?
クロージングは商談の最終段階で注文を貰うための必須スキルです。
確度の高い商談をたくさん保有しても、クロージング力が弱いと売上が上がりません。
では、クロージングはどのタイミングで行うべきでしょうか?
答えは、顧客からバイイングシグナル(buying signal)が出ており、コチラの提案を断る明確な理由が無くなったタイミングです。
※バイイングシグナル:価格、納期、設置スペース等の具体的な質問をしてくる
顧客が提案内容に100%満足しておらず、満足度70~80%かなと思っている段階で、最後に背中を押してあげるイメージを持つと良いです。
100%顧客を満足させる提案が出来るケースは現実的には少ないですし、もしあっても自社が我慢する(薄利商談など)ケースが多いので、クロージングは必須のテクニックとなります。
では、7つのテクニックを順にご説明します。
テクニック➀ テストクロージング
厳密にいうとクロージングを仕掛ける前段階で使うスキルです。
商談がクロージングを仕掛けても良い段階にあるかを判断できます。
テストクロージングは、商談を進めるための検討項目を顧客と合意する意味を持ちますので、ココで合意を得られなければ、ヒアリングの段階に戻る必要があります。
※ヒアリングを詳しく知りたい方は、「営業トークの基本教えます。昔も今もSPIN話法が最強。」をご参考下さい。
具体的には、導入前提での質問をぶつけます。
僕の場合は、以下の流れで進めることが多いです。
営業マン 「もし、本商品を導入頂けるとした場合、気になる事はありますか?」
お客さん 「サイズが大きいから置けない!金額も高い」
営業マン 「金額がご予算内だと仮定して、設置スペース以外で懸念点はありますか?」
お客さん 「操作が難しそうなのも気になる。でも、やっぱり設置スペースかな」
営業マン 「操作はサポートしますのでご安心下さい。設置スペースがクリアできれば検討に値しますか?」
お客さん 「設置スペースがクリアできればOK!お金もクリア出来ている前提だけど」
営業マン 「設置スペースは現場を確認して配置提案させて下さい。最後にお金ですが、1,000万円だと予算に入りますか?」
お客さん 「出せて500万円かな」
営業マン 「そこまでの値引は厳しいかもしれません。本当に必要なオプション構成を再度一緒に検討させて頂き、見積りさせて下さい」
お客さん 「OKです」
ポイントは、お金の話を最後にする事です。
扱う商材にもよると思いますが、即決できないレベルの高額商品なら、別日に見積提示します。
顧客によりますが、見積提示額が500万円を多少超えるのは問題ないです。
商品メリットを再度訴求し、予算超過のOKを頂きましょう。
なお、提案書は2回以上に分け、1回目はテストクロージング用の提案書として提出するのがオススメです。
この提案書のタイトルには、「(案)」と記載するのをオススメします。
「コスト削減のご提案(案)」といった感じです。
「(案)」と記載することで、提案書をあくまでも方向性確認資料の位置づけとし、提案内容を一刀両断される事を防ぎます。
特に経営層相手だと、一刀両断された時点で商談消滅となる場合があるので、一発勝負の提案は避けるべきです。
テクニック② 単刀直入に質問する
「この条件でお願いします」と提案してもクローズ出来ない場合、単刀直入に質問するのが一番効果的です。
テストクローズ段階で懸念要素を潰しても、追加要望が出ることは多いです。
何が変われば合意頂けるのかを確認し、その条件を満たしてあげて契約を取りましょう。
一点、気を付けることは、自分のキャラクターがこのフレーズを言っても怒らせないかという事です。
トップセールスたちは、頭の回転が速いだけでなく、親しみやすいキャラクターも兼ね備えていますので、彼らに相談すると「買ってくれる条件を聞いちゃえばいいじゃん!」とアドバイスしてきます。
ですが、僕らのような凡人がマネすると、イラっとされる可能性があります。
単刀直入に聞くには、イラっとされないキャラクターが必要になります。
大手企業相手だと、顧客も人格が優れている人が多いので大丈夫だと思いますが、オーナー企業の場合は要注意です!
顧客との関係性や自分のキャラクターを理解して、単刀直入に質問すべきかを判断して下さい。
テクニック③ 選択肢を与える
押し売り営業をされるのは、誰でも嫌な気持ちになると思います。
その気持ちを理解した上で商談をまとめるには、顧客が、「営業の言われるままでなく、自分が選んだ」と思ってもらう事が必要です。
具体的には、提案を「松・竹・梅」の3パターン用意して、顧客に決めさせます。
「梅」になることもありますが、競合他社に取られる事や商談が無くなるリスクを考えると、どれかを選んで確実に契約を取る事ができるのがメリットです。
僕の場合は、竹を選んで貰えるような提案内容にしていました。
顧客が一番良いものが欲しいという性格でない限りは、通常は可も無く不可もなくの「竹」案が採用されます。
日本人の気質なのでしょうね…
テクニック➃ あえて沈黙する
「これでお願いします!」と言った後、即決される事はまずありません。
(オーナー企業の経営者相手は除く)
通常は、顧客が判断するための時間が必要となり沈黙が生まれます。
若手営業マンだと、この沈黙に耐えきれず、「これでお願いできませんか?」と畳みかけてしまいますが、ハッキリ言って逆効果です。
テクニック➂でも言いましたが、顧客が自主的に決めたという体にしなければなりません。
向こうが話し始めるまで、沈黙に耐えましょう。
時間的には1~2分くらいです。
あえて何かやるなら、顧客が腕を組むなど動きがあった際に、自分も座り直して姿勢を正す事くらいでしょうか。
ミラーリングってやつですね。
偉そうな事を言っていますが、僕も沈黙に耐えるのは苦手なので、その空気に耐えきれず何かしら動きたくなるため、ミラーリングをやって不安な気持ちを発散させています。
1~2分沈黙しても、顧客から何も言いださない場合は、「いかがですか?」と一言添えれば十分です。
テクニック⑤ 原点回帰で提案内容を振り返る
たまに、提案内容をひっくり返すような断り文句が出てくる事があります。
あれだけテストクロージングで事前確認したのに、なんで今更そんな事を言うのかと営業マンが混乱するやつです。
これは、競合他社が急に出てきたり、顧客自身が課題を整理できていない場合に起こります。
対処法は、今回解決すべき課題を再度整理する事です。
特に、競合が急に出てきた場合、競合は後追いなので価格勝負を仕掛けてきます。
これに対しては、解決すべき課題を再度認識させ、それを解決できるのは自分達だけだと説明する事で回避できます。
もし、価格でひっくり返された場合は、その程度の客だったとコチラから見切ってしまいましょう。
課題を整理する際に気を付ける事は、顧客の話を否定しない事です。
経験の浅い営業マンは、切り返しの際に「でも」とか「しかし」を使いますが、これは最悪です。
顧客の立場からすると、自分の意見を否定された上に、聞きたくもない営業トークを繰り広げられるという、イライラ度100%の心理状態になります。
否定するのではなく、自分の認識と顧客の認識を整理するように話すのがオススメです。
下記のような感じでしょうか。
営業マン 「なるほど。お話頂いた事は分かりました。話を整理したいのですが、今回は在庫の削減で弊社製品を検討いただいた経緯ですよね?」
お客さん 「そうですね。ただ、他社さんも似たような事ができそうです」
営業マン 「機能面だけでなく、操作が不安とのお話も頂いておりました。お客様のオペレーションが習熟するまで専任スタッフの支援サービスがあるのは弊社だけです」
お客さん 「そうでしたね」
営業マン 「機器が安価でも、操作ができなければ生産ラインは止まり、結果余計なコストが発生しますので、弊社ならこのリスクは無いという事を再度ご理解ください」
お客さん 「確かに本体価格が安くても、使えないと意味ないですね」
余談ですが、僕自身、このトークが使えるかどうかが営業職とそれ以外の職種を分けると考えています。
技術者の方が、より正確で詳細まで説明をする事ができます。
それでも営業職が存在するのは、購買プロセスにおいて、顧客とコミュニケーションを取りながら物事を決めていくスペシャリストが必要だからです。
テクニック⑥ 強制的に合意条件を作る
顧客が中々決定しない場合に、導入条件を営業マンが無理矢理作るテクニックです。
かなりの力技なので、顧客がイラっとしていないか見極めながらトークを展開しましょう。
具体的には、以下のようなトークを展開します。
「これまでお話を伺っていると、製品仕様に関しては満足レベルとの判断頂いており、最後、価格だけを悩まれていますよね?」
(顧客の顔色を見ながら、続けざまに)
「今回のご提案は決算月のだから提示できる特別価格です。来月以降に同じ条件での価格提示はできません。今月ご契約いただくのが、結果的にお客様にも一番良い価格で購入いただける事になります」
このケースでは、本当は製品仕様に一部納得を得られていないが、強制的に購入すべきかの判断軸を価格に持って行っています。
全く納得いってなければ無理ですが、そこまで重要でないけど、何となく気になるレベルまで合意できていれば、このテクニックで押し切れます。
なお、仕様とか設置スペースを判断軸にすると、検討の時間が出来てしまい、且つ顧客が断る理由を作る事となるので、価格や納期を軸にするのがオススメです。
テクニック⑦ 話題を変える
僕的には最終手段です。
通常、テストクロージングが出来ていれば、こんな事はしなくて良いのですが、顧客の性格が凄く慎重な場合には必要となります。
沈黙テクニックを使ったり、課題を整理しても結論を貰えない事があります。
そんな時は、別の話題を振って緊張感を解く事が有効な時があります。
他のテクニックと比較して確立は低めです。
話題はその人が好きなものが良いです。
趣味や家族(特に子供)の話は、場がなごみますのでオススメです。
一度緊張感を解いて、再度、提案はどうか聞いてみると、OKを貰える事があります。
「これ以上考えても時間の無駄だからお願いするよ」って感じです。
まとめ
今回は、クロージングの際に使える7つの厳選テクニックをご紹介しました。
他にも交渉テクニックはありますが、この7つを身に着ければ、受注率は上がると思います。
使いこなすには実戦あるのみです。
日々テクニックを意識しながら商談にあたってみて下さい。
商談中は頭フル回転で忘れがちなので、商談時に広げる手帳のページの片隅に7つのテクニックをを事前に書いておくと、忘れず使えると思います。
僕も落とせない商談はそうしています。
お役に立てば幸いです。