食べすぎ営業マンのビジネスブログ

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営業の種類を知り、自分がなりたい営業を選ぼう!

30代中盤営業マンのtabesughiです。

新卒から法人営業一筋の僕ですが、昨年度転職を経験したことで、職業選択にあたり「営業」を一括りで語るのは危険だと気づきました。

僕と同じ失敗をされる方が一人でも減るように、「営業」の種類について語ります。

 

 

営業の種類

細かく見ていくとキリがないですが、「B to C(個人相手)」と「B to B(法人相手)」に大別できます。

最近では直接顧客へ訪問しないインサイドセールスも増えているようですが、日本ではまだまだ対面式の営業が主流なので、対面式で今回は分類します。

 

「B to C」営業だと不動産とか保険の営業が分かりやすい例だと思います。

僕自身経験がありませんのでよく分かりません。

個人相手は決済者が少なく(本人+その家族)、契約までの期間が短いので、営業マンもギラギラしているイメージです。

僕がこれまで会ったことのある生命保険会社の営業マンは、高そうなスーツを着て、、トーク中も契約とりたいとの意思が見え隠れしていました。

 

もう一つは「法人営業」ですが、世の中の営業マンはここに属する人が一番多いのではないでしょうか。

もう少し細かくみると3つに分類できます。

  • 法人営業(オーナー相手)
  • 法人営業(担当者相手)
  • 公共営業

 

企業規模で分ける事もできますが、営業マンにとっては日々商談で会う人の多さと予算額の違いくらいなので、上記で分類しています。

公共営業は特殊ですが、併せてご紹介します。

僕自身、全て経験しています。

 

法人営業(オーナー相手)

誰もが知っている一部上場企業だとオーナー企業は指折りなので、基本的には中小企業が相手となります。

決済者はオーナー自身である事が多く、例え担当者と商談を進めて契約直前まで持っていってもオーナーの鶴の一声で全てが覆ります。

逆にいうと、オーナーと直接商談を進める、もしくは話が詰まってきた段階で早めにオーナに提案する機会さえ設けられれば、トントン拍子で商談がまとまります。

直接面談できない場合、高確率で商談消滅もしくは競合他社製品と単純に値段で比較されます。

 

僕はこのタイプの営業が得意でして、まずオーナーに営業をかけて提案OKを貰い、オーナーが選定した案件担当者と詳細を詰めるという事をやっていました。

KPIは、「〇〇君、tabesughi君の提案が良さそうなので前向きに検討してくれる?」

とオーナーから担当者へ指示を出させる件数です。

算額もオーナー次第なので大きな案件も高い成約率を見込めます。

 

また、オーナーは経営者同士の横のつながりもあるので、提案内容がそぐわない場合は、マッチしそうな知り合いの会社を紹介してくれたりもします。

 

メリットばかり言いましたが、その分デメリットは大きいです。

経営者は24時間・365日仕事の事を考えています。

そのため、定時後(下手すれば休日も)携帯に連絡が入ります。

また、セッカチな人が多いので、対応は常にエマージェンシー状態です。

それについて来れない営業マンは、「業者」扱いされ「ビジネスパートナー」にはなれません。

オーナー達は、ビジネス損失が直接自分の資産に影響しますので、サラリーマン思考の営業マンでは高額商談の受注は難しいでしょう。

 

オーナーから仕事を貰うコツは、継続的に顔を出して有益な情報を提供し続けることです。

ただ面談を重ねてもすぐに見切りを付けられますので情報の質は意識しましょう。

例え雑談に近い内容でも有効な情報と判断してくれれば、そのお返しに密度の濃い情報を教えてくれますので、他社に先駆けた提案ができます。

彼らには無数の営業マンが群がりますので、その中で抜きん出た存在になる必要があります。

 

法人営業(担当者相手)

担当者相手の営業は一番オーソドックスです。

面談者は基本的に担当者となります。役職者に面談する場合でも課長クラスでしょうか。

部長クラスになると、商談初期で引っ張り出すのは一苦労です。

 

僕たち営業マンもそうですが、担当者は会社の方針に沿って日々の業務を進めます。

単に会社方針に従っていれば何でも良いという人、折角だからより良いものを導入したいという人、そもそも何もしたくない人など様々な人が相手となります。

 

また決済に関与する人数も複数名いますので、営業プロセスは複雑です。

一昔前は、オーナー企業相手のように、会社をグイグイ引っ張るキーマンを見つけるのが手っ取り早かったのですが、コンプライアンスやガバナンスが厳しくなった近年では、決済にはコンセンサスが必要になるケースが多いです。

金額によりますが、購入には事前に予算確保していることが必要です。

(オーナ企業は予算の考え方は薄く、購買タイミングはオーナ次第)

 

そのため、営業マンの力だけでなく、自社ブランド力や広告・販促活動含めた企業トータルでのアプローチをもって顧客を攻略していく必要があります。

 

ポイントは、顧客の方針をいかに早く聞き出せるかと、決済ルートに邪魔する人がいないかを見極める事です。

ある程度上の役職者は、懇意の取引先がいるので、どうやってその役職者をかわすかがポイントになると思います。

僕の場合は、担当者と協力して理論武装のための分厚い資料を作ったり、邪魔な人をおさえられる力のある人を紹介してもらっていました。

 

色々回りくどいので、オーナー企業相手の方が僕は好きです。

通常はこのタイプの営業が世間一般的に言われる営業だと思います。

 

公共営業

公共機関相手の営業をやっている人は少ないと思いますが、一定数存在します。

僕は現在この営業です。

 

相手は、官公庁、自治体、各種行政法人、第三セクターといった感じでしょうか。

左から順にルールが厳しく、営業が関与できる範囲は限られてきます。

 

基本的な購買プロセスは入札になります。

100万円以下程度の少額なものは、入札無しの随時契約で契約されますので、民間相手の営業とあまり変わりません。

金額が大きくなると、日本で1社しか技術的に対応出来ないなどの特別な条件が無い限りは必ず入札になります。

入札も複数の形式があり、価格だけで判断されるものから、企業力も含めて判断する総合評価形式など様々です。

総合評価という名前はついていますが、民間企業のように単純に提案内容を高く評価するものは少なく、過去実績や企業体力を見て怪しい企業でないかを判断するものが多いです。

 

特に官公庁は、担当者がその道のプロであるケースが多く知識も豊富なため、入札にならないように顧客の期待を超えた提案をするのは非常に難しいです。

また、あまりにも目新しすぎる提案は、保守的な官公庁からは敬遠され採用される可能性は低いです。

そのため、営業マンが顧客の購買プロセスに影響を与えられるシーンは少なく、いかに顧客のルールに合わせて入札対応できるかが肝となります。

 

自治体は、3年に1回程度で担当者が異動するため、担当者が素人のケースが多く、官公庁とは少し異なります。

素人でよく分からないからこそ積極的に提案を聞いてくれますし、それを評価してくれます。

気を付けないといけないのは、官公庁の人事評価は減点主義のため、こと無かれ主義の人が一定数存在する事です。

この手のタイプには何を提案しても時間の無駄なので、別の仕事をした方が良いです。

 

民間との一番の違いは、入札制度があるため指値を聞けない事です。

民間では提案と価格交渉を繰り返す事で、顧客の予算や指値を引き出し、契約に結び付ける事が多いですが、公共の分野では談合になってしまいます。

相変わらず談合による逮捕者も出続けており、営業マン側も気を付けなければならないです。

 

 

もし3つとも経験したいのであれば、担当者相手→オーナー相手→公共相手の順でキャリアを積むと良いです。

公共相手の営業活動は、営業マンが関与できるところは少ないので、若手の内は民間相手に提案営業で力を付けるのがキャリア形成としておすすめです。

 

お役に立てれば幸いです。