【高スキル営業マン必見】売れる顧客リストを作る3つのポイント
今回は顧客リストの重要性をご説明します。
営業スキルを日々磨き続けているのに、結果がついてこない営業マンは必見です。
僕自身も若手時代に顧客リストの重要性に気づかず、「なぜ自分よりもスキルが低いアイツの方が結果を出せるのかさっぱり分からない…」と愚痴っていました。
リストの重要性を知らない自分の営業スキルが低い事が原因なのですが、当時は相当辛かったです。
現在の僕のように対象顧客リストは1~2社で固定、増やすことも減らすことも出来ないというような人はこの方法は使えませんが、「THE MODEL型」のように不特定多数の企業を絞り込んでアプローチする場合は絶対必須スキルです。
高スキル営業マンこそ顧客リストを大事にしよう
営業成績が良い結果で終わるかは、顧客リストが7割と言われます。
裏を返せば、顧客リストのポテンシャルが低ければ、いかにスーパー営業マンだとしても。そこそこの結果しか出ないことを表しています。
担当市場がショボくても実績を出すのが真の営業マンだと言う人がいますが、それは精神論としてはOKなのですが、成果を出すのとは別の話です。
購買プロセスが複雑化した現在において、営業マンの影響度は限定的ですからね。
今月の標語(廊下を走らない!みたいなやつ)として聞き流すくらいで良いと思います。
※顧客購買プロセスにおける営業マンの影響度は「最強営業スキルの効果を上げるには顧客タイプを見極める」をご覧ください。
さて、話を戻すと、まず顧客リストを見返してみて下さい。
売れそうな顧客は何社ですか?
なんとなくイケそうだなとか、今期は超キビシーと思いましたよね?
その感覚は恐らく間違っています。
経験豊富なベテラン営業マンなら売れそうな客とそうでない客の匂いを嗅ぎ分けられるでしょうから当たらずも遠からずでしょうけど、新人営業マンほど判断軸がブレブレで何の信ぴょう性もありません。
ベテランが嗅ぎ分けるの匂いというのも、感覚的でその日の気分によって変わってしまうので、3つのポイントで顧客をふるいにかけることをオススメします。
- 業種・業態
- BANTC
- 会社独自の事情
3つ全てをクリアした会社は、最優先で攻略する先です。
2つクリアした会社は、チャレンジ先ですね。
多分売れるはずと希望的観測を持ちながらアプローチしましょう。高確率で売れます。
1つしか当てはまらない会社は、後回しです。
頑張ってもあまり売れないでしょう。
当てはまる項目が0個の会社は、ポテンシャル無しリストとして管理しましょう。
もし売れても再現性はありません。ただのラッキーパンチです。
では、1つずつご説明します。
1.業種・業態で絞る
自分の取り扱う製品はアプローチ先の顧客が必要とするものか?という問いに答えていきます。
既に特定の業界で事例があると、その業界に属する顧客は購入してくれる確率は高いと判断できますよね。
また、事例がなくとも業態(ビジネスモデル)が近いと、事例と同じようなアプローチが効果的だと判断できます。
業種は違えど、同じ課題を抱えているでしょうからね。
一つ例を挙げてみます。
取り扱い製品が、落としても割れないお洒落なコーヒーカップだとします。
きっとレストランやコーヒーショップで既に事例があるでしょう。
そうすると、同じ飲食業ならアプローチできると容易に判断できます。
もう少し想像してみると、ホテルや観光業もコーヒーを出す機会は多いので、提案できそうですよね。
そうなると、コーヒーを出すところには全部アプローチできそうだと考えられます。
もう少し想像を膨らますと、来客時にコーヒーを出す会社は多いので、世の中にある全ての会社がターゲットとなります。
さすがに、会社の給湯室に来客用で5個置いてもらうために、直接営業を掛けるのは非現実的なので、会社にオフィス用品を販売している会社に売り込みに行き、ラインナップに加えて貰えないかなと考えることができます。
このような感じで、対象業種と業態を決めます。
余談ですが、事例を作るのと数字を上げるのは、少しベクトルが違います。
事例を作る際は、会社として取り組むので技術部門のサポートが厚かったり、将来的な回収を見越して無理な金額で販売したりします。
どちらかと言うと、事例を作って箔をつける意味合いが強い場合が多いです。
条件が違うので、単純に事例を真似すれば売れると考えるのは危険です。
2.BANTCで絞る
既に何かしらのアプローチをした事がある先は、BANTCの情報で絞ってください。
業種・業態とBANTC情報で絞り込んでも残る先は、全力でアプローチする先だと判断できます。
BANTCについて簡単にご説明すると、5つのヒアリング項目の頭文字のことです。
Budget(予算)、Authority(決裁者)、Needs(ニーズ)、Time-frame(時期)、Competitor(競合)の5つをヒアリングすることで、商談の確立を判断します。
詳細は、別記事「【 BANTC】営業が提案時にチェックすべき5つのポイント」に書いていますのでご覧ください。
次の「会社独自の事情」にも関連しますが、全く未アプローチの新規先の場合は、「業種・業態」と財務状況で判断するしかないです。
業種はイケそうだし、企業規模も大きく、利益も出ているので対象先と判断するって感じです。
3.会社独自の事情で絞る
会社は法人と呼ばれるだけあって、全く同じ人格(社風)はありません。
社風の違いは、購入ルールの違いにも影響します。
何人もの決裁が必要となる慎重な会社もあるし、社長の一声で超高額な商品を購入するところもあります。
トラブル発生中で、とてもじゃないけど商談の話なんて出来ないタイミングもあるでしょう。
基本は慎重な会社だけど、今期から担当者がイケイケドンドンな人に変わったから、この位の金額なら稟議通してくれそうだとの判断は、日々顧客と面談している営業マンしか分かりえない事です。
定量的な情報だけでなく、営業マンの肌感覚が最終的には必要です。
僕の失敗をお話しすると、業種とBANTC的には問題なかったのですが、窓口だった人があまり推進力がない人にも関わらず、この商談を決めれば目標達成するとの自分勝手な考えでごり押しした結果、やはり商談は流れて目標達成しなかったという経験があります。
絞った結果リスト数が足りない時は?
対象先を絞った後に、再度じっくりと見つめて下さい。
何となく目標達成のイメージが湧いた人は、対象先に対する具体的アクションを考えるフェーズに移ってください。
そうでない人は、アプローチ先の数を追加してください。
追加するのは既存顧客が望ましいです。
新規先は人脈開拓から始まるので、時間が掛かり過ぎますので。
ただし、ダメな対象先をいくら攻めても売れませんので、何度見ても既存客の残りは微妙だなと思えば、新規開拓をした方が確立は上がると思います。
新規開拓が許されず、決められた対象先へ営業するしか無い人は、再度全対象先を見返して、多少なりとも可能性がある先をピックアップして下さい。
もしかしたら、ラッキーパンチがあるかもしれません。
ただし、ラッキーパンチは再現性が無く、これに頼ってしまうのは3流営業マンです。
売れない営業マンから一生脱け出す事はできません。
こんな時は、上司に対しアプローチ状況をフィードバックしながら、自分が管理している企業以外へのアプローチ許可をもらう動きをするべきです。
売れる営業マンほど、このリストでは売れないという事を営業会議で提言します。
その結果、良いリストが割り当てられて目標を達成します。
提言の際には、誰でも納得できるようにデータを用いることが必要です。
たまに老害営業マンが、「全件リストを回り切ってからダメと言え!」とマウントを取ってきますが、僕の経験上、ダメリストを回り切って数字が出た営業を聞いたことがありません。
これは完全に根性論であり、マーケティングの概念を無視しています。
さらっと聞き流して、上司や信頼できる先輩にだけ相談しましょう。
まとめ
- リストポテンシャルが営業成績の7割を占める事を理解する
- 良いリストを作るために、3つのポイントで対象先を絞り込む
- 絞った後に対象先の数が足りなければ、外した既存対象先に可能性がある先がないかを見返す
- 外した既存対象先が微妙なら、新規先を追加する。新規先は業種・業態と企業ポテンシャル(財務状況など)で絞る
- 活動状況を上司と共有し、上司と一緒にリストポテンシャルを見極める
売れる顧客にだけ時間を割くと決めて、売れる顧客だけを選別すれば、きっと短い時間で大きな成果を上げられると思います。
お役に立てば幸いです。