勢いだけでは無理!軸無し転職の失敗例
今回は転職の失敗例をお伝えします。
僕の後輩の話です。
何となく転職すると、同じ道をたどる可能性が高いので、転職者検討者は参考にしてみて下さい。
転職した経緯
僕の後輩は、僕より5年ほど年下です。
愛すべきキャラクターにより社内外で評価され、いつも高い営業成績を上げていました。
僕も後輩ながら見習うべきところが多かったです。
彼が転職したのは、僕が転職して3ヶ月後です。
転職が決まってから何度も理由を聞かれたので、彼も悩んでいたのだと思います。
僕は転職で勤務地と給与アップを手に入れたので、ポジティブに伝えていました。
きっと転職に良いイメージを持ったのでしょう。
素晴らしい経歴を武器に、彼は誰もが知る超大手企業の内定を勝ち取りました。
待遇も凄く羨ましいものでした。
転職で失敗した理由
誰もが羨む大企業に転職を果たし、配属部署は社内でも成長部門の医療分野。将来的には海外勤務も約束されていたのにも関わらず、彼はわずか1年で退職しました。
周りから見ると、絵に描いたようなエリートビジネスマンのキャリアパスが用意されており、 何の不満があるのだろうと思いますよね?
昭和生まれの僕にすれば、上場企業で海外駐在なんてエリートの匂いしかしません。
退職理由を聞いてみると、入社後の教育もそこそこに成果を求められ、日々の数字のプレッシャーもキツイとのことでした。
人間関係は良好だったそうです。
この例は失敗の典型パターンだと思います。
僕も元は同じ会社で働いていたので気持ちは理解できます。
会社の将来性に希望が持てない状況下での転職は、一日でも早くこの沈没船から逃げ出さなければとの気持ちが強く働き、冷静な判断ができず勢いが先行します。
数字のプレッシャーは転職の直接的な原因ではないと思います。
元の会社も数字のプレッシャーは厳しいものでしたし、数字の見立てが足りないと会議時間一杯詰められるのは普通でした。
僕も新人時代は毎週月曜日は2時間泣かされていましたし…
数字のプレッシャーは転職の原因ではないと思います。
話を聞く限り、恐らく退職した根本的な原因は教育の部分でしょう。
新卒でなく中途採用者をあえて採用する理由は、「即戦力」です。
転職経験のないプロパー社員達は、辛い自分達を助けてくれるスーパービジネスマンが入社してくれると勘違いしています。
彼らは、中途採用の荒波を潜り抜けた優れた人材なのだから、1ヶ月もすればそれなりの成果を出してくれるだろうし、1年もすれば元いた会社のノウハウを活かして自分達以上のパフォーマンスを出してくれると期待しています。
これは、激しいカン違いです。
自分たちは数年かけてステップを踏みながら1人前に育ててもらったのを忘れ、中途社員にはいきなり成果を求めるのは暴論です。
話を戻しますが、100歩譲って即戦力に応えるとした場合、手厚い教育が必要です。
「新人じゃないんだから自主的に学べよ!」という論調は相当厳しいですね。
プロパー社員はまず資料を見ろとよく言います。僕も新卒入社の会社では言っていました。(反省…)
現実は、その資料を見ても何から手を付けて良いか分からないケースは多いです。
日本語で書いてあるはずなのに、知らない単語が多すぎて外国語か?みたいな感じです。
いざ自主的に勉強を始めても間違った方向で進めていたというのはよくあるケースです。
僕も入社直後は、前職の経験から、資格の勉強を通じて技術的専門性を高めて実務に繋げることを目指しましたが、会社が求めているスキルではなく回り道をしました。
一般的には、営業マンが技術的知識を身につけることは推奨されますが、僕の会社では、技術的知識は最終的に身に着ければよいレベルの重要度で、それよりもプロジェクトマネジメント的なスキルが必要でした。
このような教育の問題は、恐らくどの会社にもあると思います。
転職は勢いでなく軸を探す
根本的な話になりますが、後輩の失敗は転職の軸がなかったことが原因です。
断言します!
転職で何かを成し遂げるというより、沈没船から沈まない船に乗り換えることが一番の理由になっています。
もちろん社風は大事なので、調べることは重要です。
では、事前に調べられるかというと、それも現実的に不可能です。
唯一のチャンスは、面接の場と内定後くらいでしょうか。
※詳しくは【基本編】転職で失敗しないために必ずすべきこと - 食べすぎ営業マンのビジネスブログを参考にして下さい。
半分は運ですが、企業を選ぶ軸をしっかりと決めることが転職を成功させる大きな要素です。
何よりも優先して、転職で何を成し遂げたいかを明確にすることです。
これがないと、知名度・イメージで・待遇だけで選んでしまうため、入社後に転職先の悪い部分だけが目に付き、こんなブラック企業だとは思わなかったと後悔することになるでしょう。
逆にいうと、軸が明確であれば、嫌なところも多いけど自分の希望は叶ったと前向きに捉えられます。
教育が不足している部分も前向きに捉え、理不尽な即戦力依頼に応えるために、入社後半年間は仕事しかしない!と奥様に宣言し、ガムシャラに働けば何とかなった可能性もあります。
ちなみに僕は、このガムシャラパターンです。
入社した環境が、自分が即戦力にならないと崩壊してしまう環境だったので、平日の夜は頻繁に社内の飲み会に参加して社内での立ち回りや仕事の進め方を教えてもらい、土日は両方とも勉強をしていました。
今でも土日のどちらかは丸一日仕事に時間を使っていますので、社内でも評価してもらっています。
振り返ると、働き方改革の時代だからとライフを重視していたら、評価されず退職に追い込まれた可能性は大いにありえます。
給与アップと希望勤務地が叶ったので、ワーク寄りなのは仕方ないと思っています。
100点満点の企業は存在しません。
もし存在しても転職市場で流通する求人にはありません。
普通は、給与が高い会社ほど忙しくて労働時間は長いです。
毎日定時退社なのに給与の高い会社は基本存在しません。
もちろん定時退社できている方もいますが、たまたま所属している部署がそうなだけで、会社全体でみると他の部署は残業しまくっているというのは、よくあるケースです。
業界・仕事内容・待遇・勤務時間・勤務地などの項目でどれを重要視するか、軸を決めてそれ以外は多少ブラック要素があっても耐える気構えがないと厳しいかもしれません。
日本の転職市場では、職歴が多い人は評価されませんので、勢いにまかせた無駄な転職と退職を繰り返すのは絶対に止めましょう。
自分の転職の軸は何なのか、自分の軸に沿った転職になっているのかを、退職前に振り返ることを強くオススメします!
お役に立てば幸いです。