【営業の最終形態】顧客の常識を打ち破るチャレンジャーセールスを目指す
最強の営業スキル「チャレンジャーセールスモデル」をご紹介します。
僕の知る限り、現時点ではトップ営業マンになるための最善の方法です。
チャレンジャーセールスモデルは、全米大ベストセラーの「The Challenger Sale: Taking Control of the Customer Conversation」で世に知られるようになりました。
日本では2015年10月に邦訳版が発売されています。
著名なコンサルタントも絶賛しているので一度読んでみて下さい。
内容は簡単ではありませんので、数回読む必要があるかもしれません。
トップ営業はチャレンジャー
チャレンジャーセールスモデルでは、営業マンを5つに大別しています。
- チャレンジャー(論客タイプ)
- ハードワーカー(勤勉タイプ)
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リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
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リアクティブ・プロムレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)
- ローンウルフ(一匹狼タイプ)
結論、「チャレンジャーセールス」になるべきです。
チャレンジャー営業の特長はこの5つです。
- 顧客に独自の視点を提供する
- 双方向コミュニケーションに優れている
- 顧客のバリュードライバー(価値向上要因)を心得ている
- 顧客の経済ドライバー(業績促進要因)を特定できる
- お金の話をいとわない
- 顧客にプレッシャーをかけることができる
ここで言うチャレンジャーは、難題に挑む挑戦者でないことはご理解いただけたと思います。
「指導」、「適用」、「支配」の3つのスキルを活用して顧客を安全領域から引っ張り出し、提案内容を具体的に検討させる営業を指します。
この安全領域から引っ張り出すというのが最大のポイントです。
成熟市場では、顧客を圧倒する知識やノウハウを持っていなければ、利益の取れる良い商談はできませんので、引っ張り出すために勉強しまくる必要があります。
僕の場合、「お宅の会社このままでは潰れますよ」という事を色々な角度で何度も訴えかけ、顧客を洗脳し、商談を生み出していました。
もちろんストレートに潰れますよとは言わず、まろやかな表現を使います。
なお、並みの営業マンは、「ハードワーカー」、「リレーションシップ・ビルダー」、「リアクティブ・プロムレムソルバー」に分類されます。
これは名前からも簡単に想像できますよね。
高度成長期なら、ワークライフバランスそっちのけでガムシャラに働く「ハードワーカー」が活躍したでしょうし、一昔前に流行った提案型営業(=リアクティブ・プロムレムソルバー)も現在ではパフォーマンスは低いです。
市場が成熟している現在では、これらのタイプは単にウザイ営業でしょう。
「リレーションシップ・ビルダー」はオーナー企業相手なら、あと数年は通用すると思います。
仲良しの営業からしか買わない社長はまだ一定数存在しますので。
2代目、3代目社長への代替わり進んでいますので、数年以内に絶滅するでしょう。
価値提供できない良い奴だけが取り柄の営業は存在意義がありません。
「ローンウルフ」は、実績は出すけれど、自由に仕事をし過ぎて管理できないタイプです。
会社の方針に従わず自由に動く、上司を悩ませる営業って必ずいますよね。
実績を出すので会社も強くは言えず、その人だけ特権階級を与えられているような感じです。
独自のキャラクターとノウハウで売る天才型の営業ですね。
誰にも真似できないので、一般人がここを目指すのはオススメできません。
僕の会社には、「ハードワーカー」、「リレーションシップ・ビルダー」、「リアクティブ・プロムレムソルバー」が数多く存在します。
特に50代の年配営業に多いです。
彼らは、過去の成功体験から営業スタイルを変えることができず全く売れません。
新しいことを勉強するのが億劫なのでしょう。
ハードワーカーは日本的で個人的には好きですが、結果が出せないのでチャレンジャー一択です。
チャレンジャーになるために3つのスキルを習得しましょう。
チャレンジャースキル➀ 指導
もう少し詳しく言うと「差別化のための指導」です。
多くの顧客は溢れかえる情報を整理できず、どの製品を選ぶべきか理解できていないケースが多いです。
特に新しく購買担当になった人ほど、専門知識が乏しく、どうして良いか分からないでしょう。
チャレンジャーはこういった顧客に対し、何を購入すべきかを指導します。
指導にあたっては、顧客が自身で気づいていないインサイトの提示が必要となります。
インサイトについては「ソリューション営業はオワコン??インサイトセールスを極める - 食べすぎ営業マンのビジネスブログ」をご覧下さい。
僕の場合、顧客の同業他社はもちろん、ビジネスモデルが似通っている業界の事例を沢山知っていましたし、自分自身も多くの事例を作ったこともあり、顧客を指導する事ができました。
「みんなやってるのにお宅はなぜやらないの?遅れを取ってますよ!」という論調が日本人には効きます。
ビジネスシーンでは、「ヨソはヨソ、ウチはウチ」とはなりにくいです。
また、競合製品の知識も豊富だったため、顧客の業務に合わせた製品比較表を提示することで、競合他社の営業より信頼を勝ち得て、商談を有利に進められています。
指導を行うには、顧客と協力して解決すべき課題を設定するプロセスを経ますので、双方向でコミュニケーションをとれる高いコミュ力が必要になります。
要は、営業マンが喋り倒すのではなく、顧客の考えを引き出すヒアリングスキルが必要になります。
目指すべきは、顧客が話をしながら自分で課題に気づくことです。
スピン話法が有効なので自然に出来るようになりましょう。
スピン話法については、「営業トークの基本教えます。昔も今もSPIN話法が最強。 - 食べすぎ営業マンのビジネスブログ」を一読下さい。
チャレンジャースキル➁ 適応
詳しく言うと「共感を得るための適応」です。
商談において、顧客内の正しい人(主にキーマン)に対し、伝えたいことを正しく理解してもらう必要があります。
そのためには、顧客内の正しい人から共感を得て、聞く耳をもってもらう必要があります。
単に会いやすい人と繰り返し面談するのが無意味なのはご想像の通りです。
このスキルが簡単なようで最も難しいと思います。
商談ストーリーを練る際には、一番時間をかけて下さい。
※同著者の「隠れたキーマンを探せ」が参考になります
ポイントをまとめていますので「最強営業スキルの効果を上げるには顧客タイプを見極める - 食べすぎ営業マンのビジネスブログ」をご覧ください。
チャレンジャースキル➂ 支配
詳しく言うと「商談プロセスの支配」です。
安全地帯から顧客を引っ張り出し、一緒に課題を見つけることが出来たら、解決策を見つけなければなりません。
顧客はこの時点では不安になっています。
解決策となる自社製品を提案し、顧客が再度安全な世界を取り戻せるよう導いてあげましょう。
この時には、多少強引でも必要なコストやスケジュールを提示し、こちらの要求を認識させます。
顧客は不安な状態にあることを有効活用し、営業マンが主導権を握り(支配し)ながら契約まで持って行きましょう。
もしかしたら、顧客の購買プロセス上、競合他社に声をかけざるを得ないケースあるかもしれませんが、この段階までくれば後追いの競合他社の提案切り口は浅いでしょうから、勝ち切ることが出来ると思います。
まとめ
- トップ営業になるために、チャレンジャーモデルを習得する
- チャレンジャーになるには「指導」、「適用」、「支配」の3つのスキルが必要
- 指導の段階ではインサイトを提示する
- インサイトの構築には顧客を圧倒できるレベルの知識が必要
- 「適応」は一番難しいので、時間をかける
お役に立てば幸いです。