【 BANTC】営業が提案時にチェックすべき5つのポイント
営業マンが商談の際にチェックすべきポイントをお伝えします。
良い提案をしているはずなのに商談がまとまらず上司に叱られる。
こんな営業は多くいると思います。
もちろん僕もその一人でした。
「今度はイケると思います」と勢いよく発言したものの、商談が流れたり、最悪の場合は競合負け。
社内の信用はガタ落ちで、協力者が減ってしまうといった状況にハマっていました。
原因は商談における自分の立ち位置が見えていない事です。
「BANTC」を活用すれば、自分の立ち位置が把握でき見通しが立つようになります。
BANTCは営業が顧客にヒアリングすべき項目
「BANTC」は、営業がヒアリングすべき項目のことです。
5つの項目の頭文字をとって「バントシー」と呼びます。
- Budget(予算)
- Authority (権限)
- Needs(要件)
- Time Frame(時期)
- Competitor(競合)
1.Budget(予算)
その名の通り顧客の「予算」です。
どれだけ良い製品やサービスを提案しても、予算が無ければ永久に契約には至りません。
新人営業マンは予算を聞くことを恐れますが、一番大事な項目なので商談初期から積極的にヒアリングしましよう。
とは言え、しつこく予算を聞いて折角築いた顧客との関係性が崩れてしまうのは本末転倒なので、顔色見ながら聞いてみましょう。
聞き方はこんな感じでしょうか。
「ご予算と大きくかけ離れたご提案をしても時間を頂くだけになってしまいますので、どの程度か教えて頂けないでしょうか?」
「今お聞きした内容を実現しようとすると、5,000万円は軽く超えてしまいそうですが、ご予算的には想定内でしょうか?」
何となく答えてくれそうな気がしませんか?
商談初期で具体的な金額は教えてもらえないでしょうから、大体目安となる金額を聞きせばOKだと思います。
具体的に提案・見積提示となれば、顧客の方から具体的な数字を言ってくると思います。
2.Authority(権限)
日々商談で話している人は、決裁権を持っているのかというチェックポイントです。
直接決裁権を持っていなくても、その人が稟議を上げる人ならばOKとします。
(この場合は決済者に根回しをする必要があります)
商談をまとめられない営業マンは、簡単にアポイントが取れる人や楽しく話をしてくれる人とばかり面談しがちです。
単純に現状ヒアリングが目的であれば、何でもかんでもペラペラ教えてくれる人は重宝します。
しかし、契約を取る観点で見ると、決裁者もしくは稟議起票者が相手でない商談は重要度が低い商談です。
出来るだけ早くヒアリングを終わらせて、決済者と会うことに注力しましょう。
僕は商談一回目から決済ルートを聞くようにしています。
聞かないと、本当に面談すべき人が誰か分かりませんので。
また、面談の雰囲気が軽すぎる場合は、真剣に検討していないのではと疑ってかかっていました。
真剣に検討が進んでいる時は、顧客からの質問が厳しくなるため、終始気を抜けない商談となるはずですから。
3.Needs(要件)
顧客が欲しいと考える商品やサービスに必要な要件(仕様)です。
自社特定製品の引き合いが名指しであった場合、「値段さえ折り合いつけば買ってくれる」と思いがちですが、なぜその商品が欲しいのか(=何を解決したいのか)は必ずヒアリングしましょう。
場合によっては、引き合いのあった商品・サービスとは違うものを提案する必要があるでしょう。
ろくにヒアリングもせず、引き合いのあった商品前提で話を進めると、商談が進むにつれ本来必要な要件を満たさないことが露呈していくリスクが高くなります。
「あれ?この機能ついて無かったでしたっけ?困ったな~」などと顧客に言われると最悪で、競合他社に声が掛かります。
もし競合他社が顧客が欲しい機能を満たしていると、これまでの積み上げた商談プロセスは無意味となり、競合製品を顧客は購入します。
もし競合製品に機能が無くても相見積りで激しいコスト競争に陥り、粘って勝てても採算性の悪い商談となってしまいます。
4.Time Frame(時期)
商談のスケジュール感のことです。
来年度に予算申請をするようなスケジュールなのに、話が盛り上がったから近々契約をもらえると勘違いしてしまうことを防ぎます。
予算申請、予算実行、契約のタイミングを把握しましょう。
大型案件の場合は、RFIやRFPの時期を事前に把握することで十分に準備した提案をすることができます。
経験の浅い営業マンほど舞い上がってしまいますので気を付けて下さい。
5.Competitor(競合)
競合情報は常に最新であることに努めましょう。
把握しておくべきは以下の項目です。
- どの企業がアプローチしているのか
- 誰に会いにきているのか
- アプローチ頻度はどのくらいか
- どんな提案をしているのか(コスト削減?性能向上?)
- 提案内容で評価しているポイントはあるか
顧客と密な情報交換ができている場合、競合も同じように話している可能性が高いです。
自社だけでが特別と思わず、常に情報はアップデートしましょう。
本当に自社だけが精度の高い情報をヒアリングできていた場合、商談は圧倒的に有利に進みます。
この状態に持ってけるかが営業マンの腕の見せ所ですね。
BANTCは決定率チェックの基準
商談を100発100中まとめられる人は存在しません。
トップ営業マンはその打率が高いだけです。
BANTCが決定率の基準として活用するのは有効です。
20%×5項目みたいな感じですね。
もちろん聞けているだけでは不十分で、ヒアリングした結果に問題がないことが必要です。
5項目を全てヒアリングできても、競合が凄く優位だったり、時期が2年後だったら絶対に商談としてはまとまりませんので。
まとめ
- 商談がまとまるかの判断基準として「BANTC」を把握する
- 商談の初期からヒアリングする
- 情報は常に最新となるようアップデートする
- 逆説的に商談決定率の目安として活用する
お役に立てば幸いです。